過払い金請求の7つのリスクと対処法

最終更新日：2023年6月27日

借金は、借りたお金（元金）に利息をつけて返済します。

消費者金融やカードローン、クレジットカードのキャッシングなどで2007年ごろまでに払った利息には、法律の制限を超えた違法な分＝グレーゾーン金利が含まれていた可能性があり、これを「過払い金」と呼びます。

過払い金について詳しく知りたい方はこちら

過払い金を取り戻すことで、現金が戻ってきたり、返済中の借金残高を減らしたり・完済できる可能性があります。

過払い金請求には「リスク」や「デメリット」と認識される注意点もありますが、それらを避けて過払い金を取り戻すことも可能です。

過払い金の7つのリスクを動画で解説したものはこちら↓↓

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過払い金請求の7つのリスクを解説

１．過払い金請求を行った業者から、お金を借りられなくなる可能性がある

過払い金請求を行う貸金業者との契約は、強制的に解約扱いになります。

また、社内に顧客リストが存在するため、過払い金請求した会社や関連会社では、お金を借りたり、ローンを組んだりできなくなる可能性があります（いわゆる「社内ブラック」状態になるかも）。

※ただし、利用状況によっては新しく契約できるパターンもある

２．過払い金請求を行うクレジットカードは、解約扱いになる

過払い金請求を行うカード会社や信販会社のクレジットカードも、解約扱いになり利用できなくなります。

※ただし、利用状況によっては解約後に新しくカードをつくって利用できるパターンもある

カードには「キャッシング枠」と「ショッピング枠」がありますが、どちらも使えなくなってしまうため、注意しましょう。

３．返済中に過払い金請求をすると、一定期間ブラックリスト状態になる

請求先に借金が残っている状態で過払い金請求をすると、一定期間、信用情報に事故情報が掲載されます。

※事故情報が掲載されている状態を「ブラックリスト」や「ブラック状態」と表現することがある

【関連記事】ブラックリストとは｜載るとどうなる？ブラック状態か確認する方法

返済や支払いを2～3か月延滞したり、返済中に過払い金請求や債務整理をすると事故情報が掲載され、一定期間はお金を借りたり、ローンを組んだり、クレジットカードの発行・更新などができなくなります。

※完済している貸金業者に請求を行う場合、事故情報は載らない
※返済中の別会社の借入やローンには、影響なし

返済中に過払い金請求をした36名の方に「信用情報（ブラックリスト）に影響が出て、お金を借りられなくなったり、他社のクレジットカードが使えなくなったりしましたか？」と質問したところ、17名（47.2％）の方は「はい」と答えました。

パターン1「借金残高より過払い金のほうが多い場合」

ブラック状態になるのは、過払い金請求の手続き期間中だけです。

期間は、半年～1年程度で、手続き後は事故情報が削除されます。

パターン2「過払い金を精算しても、借金が残る場合」

取り戻した過払い金で精算しても借金が残る場合は、債務整理の一種である「任意整理」扱いになり、完済から5年程度事故情報が残ります。

司法書士や弁護士に過払い金の計算を依頼すれば、取引履歴をもとに正確な借金残高と過払い金額を求めて「ブラックリストに影響するか」を調べてもらえます。

まず、2か月以上滞納したことがある場合、すでに事故情報が掲載されている（ブラック状態になっている）可能性があります。

また、事故情報が載ったからといって、家族にバレたり、ただちに影響が出ることはありません。

事故情報は完済から5年程度で削除され、カードで買い物したりローンが組めるようになります。

返済中の借金を任意整理をすることで、毎月の返済額を無理のない金額まで抑えたり、手続き後の利息をなくすといったメリットもあります。

４．請求先の会社が倒産すると、取り戻せなくなる

過払い金は、請求先の会社が倒産すると取り戻せなくなってしまいます。

「完済したら過払い金請求しよう」と思っていた方が、請求先が倒産したせいでほとんど取り戻せなくなる（ごくわずかな配当しか受けられなくなる、1円も取り戻せなくなる）…… というケースもあります。

※利用していた貸金業者が、統合や吸収合併されている場合（名前が変わっていても）債権が譲渡された新たな貸金業者に請求することで、過払い金を取り戻せる可能性がある

５．時効になると取り戻せなくなる

※2020年4月1日以降に完済した場合「過払い金請求できる権利があると知ったときから5年」になる可能性がある

ただし、完済から10年経過している方でも、同じ貸金業者から再度お金を借りた場合は時効が伸びて、過払い金を取り戻せる可能性があります。

【参考記事】過払い金の時効を図でわかりやすく説明。10年以上前でも大丈夫？

個人では判断が難しいので「請求期限を過ぎていないか」不安な方は、過払い金請求を行っている司法書士・弁護士になるべく早く相談してください。

６．個人で請求すると、失敗しやすい

①過払い金の計算を間違える可能性がある

過払い金は、貸金業者が保有している取引履歴をもとに正しい上限金利にあわせて引き直し計算します。

※貸金業者が取引履歴を処分している場合「推定計算」という方法で過払い金を計算するが、個人では難しい

複数の消費者金融やカード会社からキャッシングをしている場合や、借入と完済を繰り返している場合、計算が複雑になり、過払い金額を間違えて取り戻せる過払い金が少なくなったり、請求を断られる可能性があります。

また、延滞や遅延があると、貸金業者から「遅延損害金の利率で計算すべき」と主張されることがありますが、司法書士や弁護士に依頼すれば、こういった主張を退けられるかもしれません。

②手間や時間がかかる

過払い金を取り戻すには、必要書類を集め、引き直し計算をして、貸金業者と複数回連絡を取り合う必要があります。

また、個人で取引履歴の請求を行う場合、後回しにされて時間がかかる可能性があります。時効が不安な場合は、専門家に依頼することをお勧めします。

③家族にバレやすい

自分で請求を行うと自宅に貸金業者からの書類が送られてくるため、家族に過去の借金や過払い金のことを知られる可能性があります。

④過払い金が少なくなる可能性がある

過払い金請求は、貸金業者との交渉で返還される額が決まります。

過払い金請求の経験やノウハウが豊富な司法書士・弁護士であれば満額取り戻せるところを、個人で請求した場合は不利な条件を提示され、取り戻せる過払い金が大幅に少なくなってしまう可能性があります。

また、個人で手続きする場合、貸金業者から「これ以上返済しなくていいので、過払い金請求をしないでくれませんか」と提案されることがあります。

ゼロ和解といって、これに応じてしまうと高額な過払い金が発生していても、回収できなくなります。

７．専門家選びに失敗すると取り戻せる額が少なくなる

本人に代わって過払い金請求ができるのは、認定司法書士と弁護士のみです。

※認定司法書士が請求できるのは、過払い金が1社あたり140万円以下の場合（1社あたりの金額なので、超えるケースは多くない）

司法書士や弁護士にも、事務所によって得意分野があります。

また、交渉力に乏しい専門家を選ぶと、時間がかかりすぎたり、条件が悪かったり、取り戻せる過払い金が少なくなったりする可能性があります。

【関連記事】過払い金請求してみた100人の体験談｜不安と後悔をなくす方法

過払い金請求を依頼する、事務所選びの5つのチェックポイントをまとめた記事はこちら

過払い金に強い司法書士・弁護士を選ぶチェックポイント

過払い金請求のリスクを避け、安全に過払い金を取り戻すには、経験豊富な専門家に依頼することが肝心です。

過払い金請求に強い司法書士・弁護士に依頼することで、下記のメリットが得られます。

実績で選ぼう

当事務所（みどり法務事務所）の貸金業者別、過払い金データはこちら

当事務所（みどり法務事務所）では、過払い金の請求実績を公開しています。

当事務所で過払い金請求をしたお客さまの事例＆体験談

司法書士や弁護士にも、お医者さんの「産婦人科」や「心療内科」ように得意分野があるのです。

事務所によって「（会社を設立する際などの）商業登記に強い司法書士」や「刑事事件に強い弁護士」などそれぞれ異なるので、ホームページを見たり、直接聞いたりして確認してみましょう。

※市区町村や国民生活センター、（収入が一定以下などの条件をクリアした場合）法テラスなどの「無料法律相談」でも相談を受けられるものの、過払い金請求の知識や経験が豊富な司法書士や弁護士を紹介してもらえるとは限らない

親身に相談に乗ってくれる事務所を選ぼう

過払い金請求の場合、相談や面談をした後は「過払い金の計算結果」や「貸金業者との交渉の結果」などの報告を受けるくらいで、お客さまがやることはほぼありません。

相談時にしっかり話を聞いてくれて、わかりやすい言葉で丁寧に説明してくれる事務所だと、安心して任せられると思います。

私が相談を受ける際も、はじめはみなさん緊張した表情で事務所にいらっしゃいます。

しかし、お話を聞かせていただき解決策をご提案すると、声や表情がとても明るくなってお帰りになられます。

借金や過払い金の悩みは他人に話しづらいものですが、解決策がわかれば不安は解消できます。

ほんの少し勇気を出して、私たちに相談していただきたいです。

過払い金請求の費用について

※計算まで無料だと、過払い金がなかった場合も費用がかからない

当事務所も、過払い金の調査・計算を無料で行っていますし、ほかの事務所でも無料のところはあります。

計算後に赤字になるとわかったら、司法書士や弁護士は手続きをおすすめしません。

また、相談時に費用のこと（なににどれくらいの費用がかかるか、事務所に支払う報酬や雑費はどれくらいかなど）を詳しく聞いておくとよいでしょう。

当事務所をはじめ、多くの事務所が「取り戻した過払い金の中から手続き費用を精算する」方式を取っているので、手元にお金がなくても過払い金を取り戻せるケースが多いです。