過払い金請求を自分でやるときの注意点｜個人でのやり方・流れ

最終更新日：2023年7月4日

ただし、近年は貸金業者の経営状況悪化により対応が厳しくなっているため、司法書士や弁護士に依頼して取り戻すより過払い金の金額を大幅に減額されてしまったり、返金されるまでの期間が長くなったり、まともに取り合ってもらえない可能性もあります。

また、内緒で借金をしていた方は、過払い金請求を自分でやったせいで、書類や貸金業者からの連絡などで家族にバレてしまうといったリスクもあります。

初期費用無料で成果報酬型の司法書士・弁護士事務所を利用すれば、取り戻した過払い金の中から精算するため、費用の持ち出しがありません。

また、過払い金の計算や貸金業者との交渉には、知識や時間が必要で手間がかかるので、専門家にお任せすることをオススメします。

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個人で過払い金請求する方法｜手続きの流れ

⓪借入先を忘れた場合は、信用情報を開示する

どこで借りていたか記憶があいまいな場合、CIC（株式会社シー・アイ・シー）やJICC（日本信用情報機構）という信用情報機関で信用情報の開示請求をすると、契約日や取引内容、最終取引日を確認できます。

※スマホやパソコンから開示できる。手数料が500～1000円程度かかる

①貸金業者から取引履歴を取り寄せる

過払い金がいくら発生しているか計算するために、貸金業者から（当初から最終取引日まですべての）取引履歴を取り寄せます。

※免許証やパスポートの写しなど本人確認書類が必要

取引履歴の開示は電話で請求することも可能ですが、訴訟になった場合、証拠として残しておけるので文章で請求するのがよいでしょう（普通郵便や内容証明郵便、FAXなど）。

貸金業者のホームページで「開示請求書」をダウンロードして記入するか、「取引履歴請求書」を作成し貸金業者に送付します。

取引履歴請求書に書く内容

・自分の住所や氏名、生年月日や連絡先

・会員番号（契約番号）

・開示を求める文章と理由

通常1～2か月程度で、取引履歴が送られてきます。

※貸金業者によっては手数料（1000円程度）がかかるところもある

②過払い金の引き直し計算

取引履歴が届いたら、これまでのすべての取引について引き直し計算（元本充当計算）を行います。

ただし、すべての取引についてそれぞれ手動で引き直し計算するのは大変なので、専用のソフトを使います。

取引履歴をもとに過払い金の計算ソフトに、すべての取引の日時と取引内容を時系列順に入力します。

利率は金額によって変わるため調整が必要です。

貸金業者との合意によって定められた約定利率との兼ね合いもあるので注意しましょう。

③貸金業者に過払い金請求書を送付

引き直し計算で過払い金の額がわかったら、各貸金業者に「過払い金請求書」を送付します。

過払い金請求書に書く内容

上記の内容をまとめて、内容証明郵便で送付します（1000～1500円程度かかる）。

④貸金業者と交渉

貸金業者との交渉は、電話で行います。

金額に納得できない場合、交渉で和解が成立しない場合は、過払い金請求訴訟を行います。

過払い金請求訴訟をする場合

貸金業者を管轄する裁判所に必要書類を提出し、起訴します。

※管轄裁判所は、お金を借りたときに交わした契約書に書かれている。また「貸金業者名 + 管轄裁判所」で検索し、貸金業者のホームページから調べることが可能。また、貸金業者に電話などで問い合わせてもよい

個人で過払い金請求訴訟する際の必要書類

個人で過払い金請求訴訟する場合にかかる費用

裁判の流れ

１．裁判所に訴状を提出
２．貸金業者が答弁書を提出
３．口頭弁論
→ 結論が出るまで、月1回のペースで口頭弁論が行われる。裁判が終わるまでは裁判所への出頭が必要

⑤過払い金の受取（振込）

貸金業者から、過払い金請求書で指定した口座に過払い金が振り込まれます。

当事務所（司法書士法人 みどり法務事務所）では、過払い金の調査や計算を無料で行っています。

過払い金請求を自分でやるときの注意点（デメリット）

家族に借金や過払い金のことを知られてしまうかも

取引履歴は、貸金業者の名前が入った封筒に入って届きます。

また、交渉が難航し、過払い金請求訴訟を行う場合は、裁判所から郵便が届きます。

たとえば、書類に関してはご指定の郵便局への局留めが可能です（郵便局で書類を受け取れる）。

また（事務所名ではなく）個人名で書類を送付することも可能です。

時効に注意（過払い金が取り戻せなくなる）

最後の取引から時間が経っている方は、過払い金請求のための書類の準備や情報収集に時間がかかりすぎると、時効が成立してしまう可能性があります。

2020年4月1日より前に、最後の取引を行った場合、最後の取引から10年。

2020年4月1日以降に、最後の取引を行った場合、「最後の取引から10年」または「過払い金請求できる権利があることを知った日から5年」のうち、いずれか早いほうで時効が成立します。

取引履歴を取り寄せる際の注意点

１．理由を聞かれても「過払い金請求のため」と答えない

取引履歴の請求理由を問われた際、素直に「過払い金請求のため」「過払い金額を調べるため」と答えてしまうと「払っていた利息を過払い金と認識していた」と主張され、過払い金が取り戻せなくなる可能性があります。

２．正確な計算ができない履歴を送ってくる業者がある

貸金業者によっては「個人（本人）が開示請求する取引履歴」と「司法書士や弁護士が開示請求する取引履歴」の書式を変えてくるところもあります。前者の場合、正確な過払い金額が計算できない可能性があります。

３．ゼロ和解に注意

取引履歴の開示する際、ゼロ和解を提案されることがあります。

ゼロ和解とは、お金を貸した側（債務者）と借りた人（債権者）の間に債権債務関係のないことを確認する和解です。

４．返金の申し出に注意

貸金業者から「○○円の過払い金が発生しているので、返還します」という申し出を受けることがあります。

しかし、その額は実際に取り戻せる過払い金額よりもはるかに少ない金額を提示されることが多いので「取引履歴をもとにこちらでも計算します」と断りましょう。

また、信販会社系の一部の貸金業者では、法定利率で引き直し計算された取引履歴が届くケースもあります。

その計算は、貸金業者が有利になるように（過払い利息がついていなかったり、過払い金が少なくなるように）計算されている可能性があるので、必ず自分でも計算しましょう。

引き直し計算の注意点

本来発生している金額より少ない金額で請求しても貸金業者は間違いを訂正してくれません。

また、計算を間違えた状態で過払い金請求すると貸金業者から拒否される可能性があります。

計算を間違えたり、過払い金請求で損をしたくない方は、司法書士や弁護士が実施する過払い金の計算・調査をご利用ください。

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過払い金の計算ミスが起きやすい4つのケース

個人で過払い金請求した人は、100名中28名

自分で過払い金請求してみた方の体験談

個人で請求書を送っても発生している過払い金の半分未満しか提示されず、裁判を起こしても時効や分断を主張され手間も時間も多くかかるようになりました。

裁判になった場合、相手は弁護士を立てて争ってくる可能性があります。

司法書士や弁護士に依頼すると費用はいくらかかる？

相談料無料、着手金（初期費用）無料、成果報酬型の事務所に依頼すれば、取り戻した過払い金の中から費用を精算できるので、費用の持ち出しがありません。

過払い金請求の費用は「取り戻した過払い金額」と「件数」、「裁判の有無」で決まります。

成功報酬型の事務所の場合、1社あたりの成功報酬は、交渉（話し合い）で過払い金を取り戻した場合は22％（税込）、裁判の場合は27.5％（税込）程度に設定されていることが多いです

当事務所（司法書士法人 みどり法務事務所）なら、過払い金請求の相談料・着手金・調査や計算が無料です。

調査の結果、過払い金が発生していなかったり、手続き費用よりも少なくなってしまう場合、お客さまの不利益になる（費用が過払い金を上回る）お手続きはしないので安心してください。