「任意整理しなければよかった」と後悔する人は2割強。4つの理由とは？

最終更新日：2023年3月22日

当事務所（司法書士法人 みどり法務事務所）のホームページに掲載している「任意整理しない方がいい5つのパターンを司法書士が解説」という記事も多くの方に読まれています。

そこで、任意整理経験のある100名の方にWEB上でアンケート調査を実施しました。

回答を見ていくと「なぜ、どんなときに、しなければよかったと思うのか」、「後悔しないためにどうすればいいのか」が見えてきました。 任意整理すべきか迷っている方は、ぜひ参考にしみてください。

任意整理経験者のアンケート調査結果を分析

任意整理とは、貸金業者と交渉することで利息の支払いをなくし（金利・手数料を0％にして）借金の元金だけを3～5年程度の分割払いで完済できるようにして、毎月の返済額を無理のない金額に調整する手続きです。

【関連記事】任意整理とは？デメリットやメリットを漫画でわかりやすく説明

また、過払い金が発生していれば、借金の元金（返済残高）を減らしたり、借金がなくなって手元に現金が戻る可能性もあります。

【関連記事】過払い金とは？過払い金請求の対象期間はいつからいつまで？

任意整理前の借金総額と毎月の返済額

手続きをする前の借金総額について質問したところ、下記の回答が得られました。

100名のうち、75名は300万円以下の借金問題を任意整理で解決しています。

100万円以下の借金で手続きをした方も30名いらっしゃいました。

収入が多い方なら任意整理後500万円以上を完済できる方もいらっしゃいますし、中には過払い金で元金（手続き前の借金残高）を減らした方もいらっしゃいます。

過払い金で借金がなくなった事例（40代 女性）

上記は、当事務所（司法書士法人 みどり法務事務所）で任意整理を行った方の事例です。

約113万円の借金がある状態で任意整理したところ、過払いが見つかり、借金がゼロになって85万円の過払い金を取り戻すことができました。

また、手続き前の毎月の支払い額について質問したところ、下記の回答を得られました。

100名のうち、74名は月8万円未満の返済額で任意整理を行いました。

月2万円未満で手続きした方も12名いらっしゃいました。

毎月の返済額が半額以下になった事例

上記は、当事務所（司法書士法人 みどり法務事務所）で任意整理を行った方の事例です。

楽天カードのショッピングに約86万円の残債がある状態で任意整理したところ、毎月の返済額を半額に減らせました。

当事務所（司法書士法人 みどり法務事務所）の任意整理事例はこちらのページでも紹介しています。

任意整理をしてよかったと思いますか？

任意整理の手続きを終えられた方100名に「任意整理をしてよかったと思いますか？」と質問したところ、78名が「はい」と答え、22名が「【しなければよかった】と思ったことがある」と回答しました。

「（任意整理してよかった）はい」と回答した78名の方を含めて「任意整理しなければよかった」と思う理由を教えていただきました。

「任意整理しなければよかった」と思う理由と対処法

任意整理経験者の方が「任意整理しなければよかった」と感じる理由は、11パターンに分けられます。

経験者が「任意整理しなければよかった」と思う理由

これらの「任意整理しなければよかった」理由は、4つのグループに分けることができます。

まず、多くの人が感じている「一定期間、お金が借りられなくなる」デメリットについて解説しますね。

１．一定期間、お金が借りられなくなる

100名のうち、37名が「カードが使えない」、29名が「ローンが組めない」、19名の方が「分割払いできない」ことをデメリットだと感じていました。

任意整理を行うと、信用情報に事故情報が掲載されるため、手続きして（司法書士・弁護士が受任通知を送付して）完済から5年程度はお金を借りることができなくなります。

金融機関やカード会社は審査の際、契約内容や支払い情報などが記録されている信用情報を確認します。

そのため、事故情報が掲載されている間は、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの審査などに落ちてしまう可能性が高いです。

【関連記事】ブラックリストとは｜載るとどうなる？ブラック状態か確認する方法

今回のアンケートでも100名中、61名が「任意整理していないクレジットカードも使えなくなった」と回答しています。

【関連記事】債務整理後はクレジットカードが使えない。いつから作れる？

アンケート回答者の方に任意整理を後悔した理由を詳しく答えていただきました。

任意整理して完済から5年程度は審査に落ちてしまうため、格安スマホやリユース品を利用したり、お金を貯めてから購入することになります。

事前に自分の信用情報を確認してからカードの審査に申し込むことをおすすめします。

自分の信用情報を確認する方法はこちら

ただし、任意整理後、和解契約にもとづいて返済を行い、完済から5年程度すれば事故情報は削除されるため、手続きしていない会社からは、新しくクレジットカードを発行したり、ローンを組んだり、分割払いができるようになります。

「一定期間、お金が借りられなくなる」の対処法

アンケート回答者の中には、こんな風にコメントしている方もいらっしゃいました。

不安がある方はなんでも質問して、納得したうえで手続きするようにしましょう。

２．手続き費用が高い

100名のうち、19名の方が「司法書士・弁護士費用が高かった」と回答しました。

また、貸金業者との和解後にお客さまにも和解書のコピーを送付し、今後の返済計画について説明を行うことが一般的です。

説明不足を感じる方は、いつでも手続きを依頼した司法書士・弁護士事務所に質問してください。

また、手続きに入る前（契約する前）の面談時に、わからないことや不安な点を聞いておくとよいでしょう。

事務所によって費用は異なりますが、任意整理にかかる一般的な費用の例をまとめてみました。

任意整理の費用は、手続きを行う借入先1社ごとに支払うので、借入先が多いほど費用が高くなります。

手続費用や解決報酬金は、お客さまの状況によって変わります。

手続きに入る前（面談時）に正確な費用をお伝えしますので、お気軽にお問い合わせください。

「手続き費用が高い」の対処法

要件をクリアして法テラスの「民事法律扶助制度」を利用できれば、より費用を抑えることができます。

司法書士・弁護士への費用を法テラス側に立て替えてもらい、利用者は法テラスに対して、原則毎月最低5000円から支払いをしていくという仕組みです。

また、各債務整理手続きの支払い基準も、一般的な司法書士・弁護士事務所の相場より低額に抑えられているため、法テラスを利用するメリットは大きいです。

【参考サイト】民事法律扶助｜法テラス

３．手続き後の支払いがキツい＆対処法

100名のうち、12名が「手続き後の支払いがキツい」、5名が「月の返済額が減らなかった」と回答しました。

また、100名のうち、2名が「2度目の任意整理（再和解）をしたり、個人再生や自己破産に切り替えた」と回答しました。

手続きを行う前に「毎月どれくらいの返済額であれば支払っていけるのか」司法書士や弁護士に伝えるのですが、このときに無理をしてはいけません。

※収入や支出を伝えて司法書士や弁護士と一緒に「支払い可能額」を考えることも可能

返済が厳しそうなら、任意整理ではなく、個人再生や自己破産なども合わせて検討しましょう。

【関連記事】任意整理と個人再生の違いをわかりやすく説明します
【関連記事】任意整理と自己破産の違い｜デメリットやポイントごとに比較

さらに、100名のうち7名が「（過払いがなく借金の）元金が減らなかった」と回答しました。

こちらの方はご自身で任意整理を行ったため、交渉や書類の準備、計算などに時間を取られ、過払い金が発生していなかったため元金の減額もできなかったそうです。

司法書士や弁護士に依頼すれば、30分～1時間程度の面談を受け、あとは待っているだけで代わりに手続きをしてもらえます。

今回のアンケートでも、100名中、54名の方が「任意整理で借金残高（元金）が減額された」と回答しました。

過払い金は2007年ごろまでにお金を借りた方が対象であることが多いため、最近のお借入れは対象になりません。過払い金が発生していても、完済から10年（または5年）経過すると時効で請求できなくなってしまいます。

しかし、現在も過払い金で返済中の借金を完済された方や、完済後に過払い金を取り戻せた方は数多くいらっしゃいます。

借入時期と借入先さえわかれば、有無を確認できるので、当事務所の「無料の過払い金のチェック」も合わせてご利用ください。

さらに、100名中1名は「利息をすべてカットできなかった」と回答しました。

利息には、貸金業者との和解までに発生する「経過利息」と、和解成立のあとで任意整理後の支払い（返済）が終わるまでにかかる「将来利息」があります。任意整理を行うと、将来利息をすべてカットできる可能性があります。

ただし、支払い状況や貸金業者によっては、年5％くらいまでの将来利息を付加されるケースもあります。

交渉の経験や知識が豊富な債務整理に強い司法書士・弁護士事務所に手続きを依頼するとよいでしょう。

４．任意整理しなくても完済できたかも＆対処法

任意整理のメリット｜利息カットで返済がラクになる

任意整理のデメリットは、完済から5年程度お金が借りられなくなることです。しかし、下記のメリットを得られます。

特に大きいのが、手続き後の利息や手数料をカットできることです。

任意整理をすることで手続き後の利息・手数料をカットできれば、返済額をすべて元金返済に充てることができ、返済の負担が軽減され、完済までのゴールが明確になります。

たとえば、金利年15％で総額300万円の借金を抱えている方が、毎月5万円ずつ返済する場合、完済までの総支払い額は約550万円にのぼります。

しかし、任意整理して将来利息をカットできれば、300万円（元金）の支払い＋任意整理費用の支払いで済むため、手続きをする経済的利益が大きいということです。

また、司法書士や弁護士に手続きを依頼すれば、すぐに業者からの督促や連絡がストップし、返済も一時停止することができるので、精神的にも物理的にも落ち着いた状態で完済への大きな一歩を踏み出すことができます。

かんたんな質問に答えるだけで、下記をお答えできます。

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